ガスファンヒーターとエアコンでは、同じ大きさの部屋を暖房した場合どちらが暖房費が少ないのでしょうか?暖房出力を基準にして、ランニングコストをガス代や電気代などから比較しました。エアコンのランニングコストの方がガスファンヒーターより低いのは間違えなさそうです。
ガスファンヒーターとエアコンのランニングコスト〜ガス代と電気代の比較
ガスファンヒーターのガス消費量とガス代(暖房能力1kWhあたり)
ガス1m3(1立方メートル)あたりのエネルギーを12.5kWhとすると、1kWhあたりに消費するガスの量がわかります。おおよそ、0.08m3となります。
ガスの料金は変動しますが、東京ガスの30m3〜80m3(B表)でみると127.34円/m3です。
0.08m3x127.34円/m3=10.2円
1kWhあたりのガス代は10.2円となりました。
エアコンの電気代(暖房能力1kWhあたり)
電力料金の目安単価は27円/kWhとなっているので、これを使います。実際には契約している電力会社や契約内容によって違ってきます。
パナソニックの10畳タイプのエアコンを見ると
- 暖房能力:3.6kW(0.3〜7.1KW)
- 消費電力;690W(105〜1980W)
690Wの消費電力で3.6KWの暖房出力が得られるという意味です。カッコ内は最小最大消費電力とそれらに対応した最小最大暖房能力です。電気ストーブなどに比べるとすごく効率の良い暖房機です。
とりあえず標準の3.6kWhで比較してみます。
暖房出力を3.6kWhとした時のガス代と電気代の比較
ガスファンヒーターの1kWあたりのガス代は10.2円、エアコン標準暖房脳力3.6kWの消費電力は690Wです。
- ガスファンヒーター:10.2円/kWhx3.6kWh=36.7円/h
- エアコン:27円/kWhx0.69kW=18.7円/h
エアコンはガスファンヒーターの半分のランニングコストになりました。安いですね。
少なくとも消費電力の2.7倍以上の暖房出力(COP値)があればガスファンヒーターよりランニングコストは下がるので安いエアコンでもガスファンヒーターより経済的といえます。
エアコンはなぜ電気代が安いのか?
エアコンは室外機の熱交換機で外気から熱をもらいます。もらった熱は室内機の熱交換器で室内に放出されます。熱を運ぶのは冷媒です。このようにヒートポンプという技術を使って熱の移動を行います。
ヒートポンプについてわかりやすい説明がありました。下図は地熱を利用した空調機の例です。原理的にはおなじです。圧縮機(コンプレッサー)はエアコンでは屋外機に装備されています。
ヒートポンプとは、温度の低い所から高い所に移動させる機械です。 ここでは空調機に使われているヒートポンプでその原理を説明します。 外部にある低温の熱を昇温して室内に移動させるには、蒸発、圧縮、凝縮そして膨張のサイクルを利用します。 ヒートポンプ内は、低沸点の冷媒(代替フロンなど)が熱移動媒体として循環しています。
出典:
エアコンの消費電力は直接発熱に使うのではなく、外部の熱の取り込みや、外部への熱の放出などに使います。自分では発熱せず、外部の熱を交換をするだけなので消費電力以上の暖房能力を出せるわけですね。
どれだけ少ない消費電力で暖房能力をあげるかがエアコンの性能になります。カタログなどをみると大体3~6倍ぐらいにはなっているようです。
電機スト―ブの消費電力は発熱するためニクロム線などに電流を流すために使われます。エアコンの様に外部の熱を利用せず、すべて自前で熱を生み出すため消費電力以上の暖房能力はでません。